子育てが終わり仕事からも解放された今、これからは夫婦でゆとりある暮らしを送りたい。その想いに応えたのがこのプランだ。
床面を下げ天井を高く取ったリビングを、夫婦二人でくつろぐ場として提案。「少し薄暗い方が落ち着く」という日本人の感性に合わせ、採光は高窓・地窓からの最小限のものに抑えた。この空間で、外の水盤から天井に届く光の陰影を眺めていると、自然と心が静まっていくのを感じることができるだろう。
今までの慌ただしい生活から離れ、新しい人生を心穏やかなものにするのにふさわしい住まいである。
ダイニングと一体感を持たせながら、段差を設けることで空間に変化をつけたリビング。その段差を活かし、ダイニングテーブルの下部にテレビを収納したり、薄暗さを利用してミニシアターにしたりと、幅広い楽しみ方ができる。
ミニシアター用のプロジェクタを備えた収納を中央に配置。
住まいの動線はこの収納を回遊する形で確保した。
この住まいを象徴するのが、水をたたえた空間。水面の反射光が地窓を抜けリビングの天井に陰影を描きながら室内を柔らかく照らす。この、水面が風に揺らぐのに合わせて描かれる動きのある陰影が、心を癒す「1/fゆらぎ効果」を与えてくれる。
 
道路から閉ざされたアプローチが、この住まいのテーマである「水」の存在を意識させながら、ゆったりと玄関まで誘導する。